突然変異ウイルスに対処する行動計画とリレンザの備蓄

インフルエンザという病気は、数年サイクルで世界的に大流行し、ときには多くの犠牲者を出すようなパンデミックにも発展することがあります。このインフルエンザは、周知のとおりインフルエンザウイルスが原因となっているものですが、ウイルスにはA型からC型まで、さらにはその亜種とよばれるさまざまなタイプがあり、予防接種のワクチンを製造する際などにも、ピンポイントでそのタイプに効果がある成分にあわせなければないといった難しさを抱えています。
インフルエンザウイルスは、ヒトにはもちろん感染しますが、それ以外にも、ニワトリやブタなどといった家畜にも感染することが知られています。これが家畜の範囲内だけで感染している分には問題がないのですが、突然変異によってヒトにも感染する能力を獲得すると、これまでのワクチンなどが効かなくなってしまうことから、新たな大流行の引き金になりやすいのです。特に、A型ウイルスについては突然変異になりやすいという性質があるため、常に警戒を怠らないようにしなければなりません。
そこで、突然変異ウイルスを原因とする新型インフルエンザの流行に対処するため、国では「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を閣議決定し、それぞれの都道府県でも同様の行動計画を策定して、被害の未然防止に努めています。この行動計画のなかでは、緊急時のためにリレンザのような抗インフルエンザ薬を一定量備蓄することもうたわれています。リレンザはインフルエンザウイルスを体内の細胞に封じ込めて増殖できなくするはたらきがあり、突然変異でできた新型インフルエンザウイルスにも対応可能です。リレンザは国と都道府県がそれぞれの分担量を決めて、共同で備蓄を進めているほか、製薬会社などの民間でも備蓄が進められています。